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Sony VAIO PCG-U1 に Linux をインストール

U1 引退のためこのページの更新は終わりました。2008年に買い替えたPanasonic Let's Noteの情報をどうぞ。


長い通勤時間用に、ハードディスク付きで高解像度画面でもっとも小さい VAIO U1 を買ってみた。Crusoe TM5800 867MHz、6.4インチ XGA 液晶、820g、幅 184.5mm。小さいキーボードも画面も自分には問題ない。

Linux 環境については、browncat.org さんのページに詳細な解説あり。Red Hat 8.0、9.0、Fedora Core 3 (FC3) でも普通にインストーラが終了、X も含めて問題なく動作。周辺装置の動作状況も同じ模様。


外付け CD-ROM ドライブからインストール

インストーラの起動時は、boot: linux ide2=0x180,0x386 nopcmcia

ACPI 対応のカーネルを上記 browncat.org さんのページから利用させていただく。

cd /; tar xfj kernel-bin-2.4.18-y4.tar.bz2
mkinitrd -f /boot/initrd-2.4.18-y4.img 2.4.18-y4
ln -s /usr/src/linux-2.4.18-y4 /usr/src/linux

/etc/grub.conf を変更:

kernel /boot/vmlinuz-2.4.18-y4 ro root=/dev/hda1 \
 apm=off acpi=on idebus=50 resume=/dev/hda3 (実際には1行)
initrd /boot/initrd-2.4.18-y4.img

2004年12月、kernel 2.6 を使いたかったので Fedora Core 3 に変えてみる。標準で ACPI に対応しているがハイバネーションはできない。2007年7月にハードディスク交換のついでに Fedora Core 6 を試すが、package for incorrect arch で入らない。Transmeta Crusoe にはもう対応していない。

追加でインストールしたパッケージ

興味のある方は芳名帳などからお尋ねください。

以下、ちょっと試しただけ。

ダイアルアップアクセスの設定

携帯電話や公衆電話、海外で iPass の国際ローミングサービスを使うために、ダイアルアップ接続環境を作る。

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ppp0 に PAPNAME="ユーザID" を追加。

/etc/sysconfig/network-scripts/chat-ppp0 に 'OK' 'ATDT03xxxxxxxx' のように電話番号を指定 (元のファイルがどうなっててどう修正したか忘れた:-)。

/etc/ppp/pap-secrets に ユーザID * パスワード * を追加。

以上の設定で、 ifup ppp0 で接続。

モデム関連の PCMCIA カードは、手持ちのいくつかのアナログモデム、携帯電話、PHS のいずれも問題ない。PHS の評価は評価ページ参照。

低速通信環境でも速くメールを送れるよう /etc/mail/sendmail.cf に DSsmtp:[SMTPサーバのIPアドレス] を追加。 さらに DNS でアドレス解決しないよう /etc/mail/service.switch に hosts files の1行を。

無線 LAN の設定

Planex の無線 LAN カード GW-NS11X を挿してみるが、安いだけに挿すだけでは使えない。lspci の実行結果を見ると Realtek の RTL8180 チップだった。3つの選択肢を試す。

ISL3890 チップの corega WLCB-54GT も (2) の方法で動く。ほかの方が成功してる prism54.ko + 1.0.4.3.arm はなぜか動かない?

(1) Realtek 提供の Linux ドライバ = 成功

Realtek のドライバダウンロードページから kernel 2.6 用のドライバをダウンロード。make して 8180_26_private.ko と open8180.ko を /lib/modules/2.6.9-1.667/misc へコピー、depmod -a

modprobe open8180 でカードを認識する。付属のスクリプトをヒントに iwpriv wlan0 enable を実行すると LINK ランプが光って使える。 iwconfig wlan0 で接続状態が見えるが iwlist wlan0 scan に対応していないので公共の場所にある親機を探すのに不便。 しかし dhclient wlan0 のように DHCP クライアントになるし正しく IP 通信できる。 ESSID を意識せず使えるので、確実に接続できることがわかっている場所では便利。

(2) Realtek 提供の Windows ドライバ + ndiswrapper = 成功

Windows の NDIS ドライバを Linux で使うための便利なインタフェース、ndiswrapper を使う。0.12、1.11 の2つの版で成功。

Sourceforge から ndiswrapper をダウンロード、makemake install。Realtek のドライバダウンロードページから Windows 用ドライバをダウンロード。ndiswrapper -i NET8180.INF して ndiswrapper -l でカードを認識していることを確認。

modprobe ndiswrapper で動作する。 iwlist wlan0 scan で親機を探せ、 iwconfig wlan0 essid xxx で ESSID を設定、 WEP key が指定されているなら iwconfig wlan0 key s:xxx のように設定すると LINK ランプが光って使える。 dhclient wlan0 で DHCP クライアントに。

Fedora Core 3 (FC3) の場合、/etc/modprobe.conf に alias wlan0 ndiswrapper を追加して /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-wlan0 に次のように書くと、ifup wlan0 で一発で使えるようになる。

DEVICE=wlan0
BOOTPROTO=dhcp
ONBOOT=no
TYPE=Wireless
ESSID=xxx

(3) Planex 提供の Windows ドライバ + ndiswrapper = 失敗

カード販売元の Planex からドライバをダウンロードして (2) と同様 ndiswrapper -i n11bnds.inf でインストール。modprobe ndiswrapper でカードは認識するが、iwconfig wlan0 essid xxx などがほとんど失敗。

動画の表示 (ウェブカメラ、テレビ)

動画を表示する xawtv、テレビ電話などで使われるカメラ、テレビチューナが使えた。

xawtv のソースコードを拾ってきて、 configuremakemake installconfigure の時に X と libjpeg がサポートされていることを確認。

動画カメラ Logicool Qcam Instant Messenger QV-61 をつないでみる。 ドライバは gspcav1 が使えた (kernel 2.6.10 以前は spca5xx)。 makemake installmodprobe gspcav1 してカメラをつなぐと /dev/video0 ができて xawtv で映像が見える。 xawtv に付属の webcam を使うと、数秒ごとに JPEG ファイルに記録したり FTP サーバに送ったりできる。

USB 接続のテレビチューナ Hauppauge WinTV USB をつないでみる。 ドライバは usbvision が使えた。 makemake installmodprobe usbvision してチューナをつなぐと xawtv で映像が見える。

そのほかの設定

LAN 上の Windows 機につながったエプソンのページプリンタを共有。printconf_tui コマンドで SMB から「//ホスト名/プリンタ名」を指定。EPSON LP-xx00 (escpage) を選んで driver setting から紙を A4 に。

USB ポートにさすフラッシュメモリドライブや MP3 プレイヤのために次のように /etc/fstab に追加。Pocket Provider IO DATA USB-ED2、NOVAC 販売の MP3 Walker で動作確認。

/dev/sda1 /mnt/sda1 vfat user 0 0
/dev/sdb1 /mnt/sdb1 vfat user 0 0

ハードディスクの装換

VAIO PCG-U1 分解写真 内蔵ハードディスクドライブが読み書きの再試行を繰り返すようになったので先手を打って交換した。 ついでに内蔵の MK2003GAH (20GB) を MK4004GAH (40GB) に増設。 1.8インチで一般的なノート PC の2.5インチより小さい。 厚さが 5mm から 8mm になるが問題ない。 さらに2年半で壊れたので MK8007GAH (80GB) に交換。

機械が小さいだけに、作業はケーブルを切らないよう注意する。次の手順で分解。

  1. 裏の6本のビスをはずす。向かって左側3本が長い。
  2. キーボードが表から見て手前2か所で爪でで止まっているので、上に持ち上げてフラットケーブルをコネクタからはずす。
  3. 背面に並んだ USB などのコネクタの左右にビスを覆う正方形のシールがある。これらをはがし、ビスを取る。
  4. ディスプレイのヒンジを覆う樹脂のカバーがスピーカの下あたりで爪で止まっているのではずす。
  5. 4つのフラットケーブルをコネクタからはずす。
  6. 「お客様がラベルを剥がされた場合、無償修理対象外となります」のシールと3本のビスをはずす。
  7. 右側面 (メモリスティック側) の樹脂のカバーが爪で止まっているのではずす。
  8. メモリスティックが入る基盤をつなぐフラットケーブルと2本の黒のビスをはずす。
  9. その基盤の下にハードディスクがある。

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